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2021.6.19

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大学受験「英語」学習手順の全体像

本記事は「大学受験英語の学習手順」シリーズの初回として、大学受験英語の学習手順の全体像を提示します。

 

言語を学ぶことには多様な「要素」が関わっており、それらを「順序」だった仕方で積み上げていくことが求められます。今回は英語学習の「要素」と「順序」をはっきりさせることで、大学受験英語の学習手順の全体像を提示します。その全体像を形成する個別の要素については、今後の記事で一つずつより詳細に取り扱っていきます。

 

さて、最初に結論から述べるとすれば、大学受験英語を習得するうえで、取り組むべき英語の学習要素は、「単語・熟語・文法・構文(解釈)・長文演習・リスニング・英作文」です。これは単なる「要素」の列挙ではなく、この順で取り組むべきである、あるいはまた、この順なら取り組みやすいという「順序」をも表しています。個別に見ていきましょう。

 

・「単語と熟語」

 

英語を学ぶうえで、まず避けて通れない要素が「単語と熟語」です。文は結局のところ単語から成り立っており、その単語がわからなければ、文を読むことはできませんし、それを聴いたり書いたりすることもできません。英語に関して、以後、どのように勉強するにしても、まず単語を覚えておくと勉強するうえでのストレスは格段に減ります。

 

その意味で、単語と熟語は必要不可欠な基礎であることに加え、とりあえず、力技でも覚えればいいという種目であるため、取り組みやすいという特徴もあります。そのため、この要素は順序のうえで、いちばん最初に位置付けられています。

 

・「文法」

 

文法は、単語と熟語よりも、それを勉強する意味が疑われやすく、また、同時に勉強することが困難であるために、挫折する確率が大きいのですが、単語と同じくらい重要で基礎的なため、この順序に置かれています。

 

なぜ文法は重要なのでしょうか。それは、文の意味は単語だけから構成されるのではなく、その単語の変化や並び順にも依存しているからです。文法とは一つにはまさにこの変化や並び順のルールであり、このように変化させて並べれば、このような意味の表現になるというルールの体系です。このルールを無視すれば、単語の意味を適当につなげて文の意味をでっち上げる、それが合っているか合っていないかはほとんど博打といったことになりかねません。

 

ただ、同時に、文法が単語よりは勉強するのが難しいことも否定できません。というのも、単語の学習は、ある具体的な単語について英語と日本語を一対一対応で関連づけるだけで、まずは十分である一方で、文法はすべての英文に適用されうるルールとして、具体的な英語表現よりも一段高次の一般性・抽象性を備えているからです。この一般性・抽象性の次元に自らを適応させることが、多くの学習者にとり、まずは第一のハードルとなります。文法は難しいということを、まず覚悟する必要があります。

 

・「構文(解釈)」

 

大学受験英語の学習においては一般に「英語構文」とか「英文解釈」と呼ばれるような分野が存在します。これは一つには「文法」の応用編、「文法を応用して英文を読んでいく方法」を体得する分野だと捉えておけばよいでしょう。それは、英文を正確に読むために使える形で文法を再構成し、それを使えるようにする訓練であり、単語と文法の知識を基礎にして、この構文ないし解釈を学習することで、理論上は、英文を読むことが可能になります。

 

・「長文演習」

 

さて、直前で私は「理論上」という限定を付しました。というのも、単語と熟語を覚え、文法を学び、解釈の方法論を体得することで、「理論上」はいかなる英文も読むことが可能ですが、それだけで「実際上」、十分な英文読解力が身につくかといえば、それは心許ないと言わざるを得ないからです。というのも、英語に限らず、語学の習得は、最終的には、慣れること、場数を踏むこと、それによる、各種の処理の自動化にかかっているからです。

 

そのために必要なのが、とにかく大量の長文を読むことです。それによって、重要な単語に何度も出会って無意識にその意味を処理できるようにまでなること、重要な構文に何度も出会って無意識に英文の構造を見通せるようにまでなること、そのような処理の自動化・無意識化によって、はじめて私たちは英文の意味内容に注目する思考のリソースを確保できるようになります。最終的に受験で主に問われているのは英文の意味内容の理解であり、そこに思考のリソースを集中できなければ、得点はおぼつきません(もちろん、内容理解では国語力も必要となってきます、母国語で読んでもわからないものを英語で読める道理はないわけです)。

 

・「リスニング」

 

昨今の大学受験においてはリスニングを課されることが増えており、その重要性は年々増しています。さて、聞いて理解することは読んで理解することより一般に難しいですから(というのも、読むのと違って聞くのでは自分のペースで進むことはできず、相対的に速い速度での処理が求められるので)、まず、リスニングの勉強の以前に、ある程度は英語が読めることが前提です。なので、リスニングは勉強の順序としては遅く、この場所に位置することになります。

 

他方、リスニングは読むことの訓練としても有用です。というのも、リスニングでは戻ることができないために、「前から英文を理解していく」という頭の動かし方が必要不可欠となり、英文を読むうえで望ましい姿勢の構築を助けるからです。

 

リスニングの具体的勉強としては、もちろん、これも最終的には場数となりますが、英語に特徴的な音の連なりや消失を理解するため、基本的な要点を教えてくれる参考書を一冊はこなすべきだと思われます。

 

・「英作文」

 

こちらも大学受験においては発展に属すると考えられる分野です。また、英文を読めるようになる過程で単語や文法について一定の知識を獲得していることで、よりスムーズに勉強が進められるという事情もありますので、英作文は、このように後ろの方に配置されます。

 

ただ、英作文をやってみると誰でも感じるのは、英語がある程度読めるようになったにも関わらず、英語を書くということになると、まったく自信を持って書くことができないということです。それは、結局のところ、単語にせよ文法にせよバラバラな知識として覚えていて、まとまった表現単位で覚えることをしていないということに起因します。

 

そこで英作文に取り組むにあたっては、基本となる英文をいくらか暗唱しておくことが有効です。そのうえで、それを組み替えて英文を書くという実践演習を行うことが王道となります。

 

・まとめ

 

さて、以上が一通りの「大学受験英語の学習手順」です。今後は個別の記事にて、各要素を一つずつ、より詳細に取り扱っていきたいと思います。

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